このサイトについて

国指定の文化財建造物は明治29年(1896)から継続的に保存修理工事が行われ、建立時の姿や建立後のある時期の姿に復旧整備されています。

日本遺産にも指定されている人吉球磨地域に残る鎌倉時代からの歴史的建造物は、文化財としての保存修理工事が行われた建物以外は、建立されてからの維持改修工事により本来の姿から変わってしまったものが数多く保存されています。そのため、これらの歴史的建造物には様々な学びの要素が残されていて、歴史的建造物の知識や保存修理のルールを知ると建物の細部まで見学が楽しくなります。

保存修理工事が行われ本来の美しさや荘厳さを取り戻した歴史的建造物を見学するのも良いのですが、保存修理工事前の歴史的建造物の見学は、その建物や歴史的背景を学ぶことで知的好奇心がくすぐられます。

このサイトでは人吉球磨地域の歴史的建造物を教材として、歴史的建造物の知識や保存修理のルールを、歴史的建造物に関心を持っている方々に情報発信します。

また、皆さんが興味を持った歴史的建造物をどうしたら未来に伝えて行けるのか一緒に考えて行きます。

全国の方々に人吉球磨地域の歴史的建造物を紹介します!

八勝寺阿弥陀堂修理前

平成24年10月1日に保存修理工事に着手する前の重要文化財八勝寺阿弥陀堂の姿です。この建物は550年ほど前に建てられたものですが、大正10年(1921)の改修工事でこのような姿になりました。
この状態からどこまで建物の歴史的変遷が解明できるでしょうか!
歴史的建造物紹介

歴史的建造物の保存修理工事を知ってもらおう!

八勝寺阿弥陀堂解体工事中

重要文化財八勝寺阿弥陀堂の保存修理工事では礎石を残して、その上の部分をすべて分解しました。幸い様々な古い部材が数多く残されていました。大正10年(1921)の改修工事に携わった大工さん達は阿弥陀堂を未来へ伝えるための適切な判断をされていました。
カリキュラム

人吉球磨地域の歴史的建造物の面白さを知ってもらおう!

青井阿蘇神社楼門軒

国宝青井阿蘇神社楼門は慶長18年(1613)の建築ですが、論治垂木が納まっていない箇所と納まっているような箇所があり「人吉球磨建築学」で軒廻りの設計を検証する予定です。大工棟梁は田上又兵衛で、重要文化財生善院観音堂(寛永2年、1625)、重要文化財老神神社本殿(寛永5年、1628)も手掛けていて、この2棟も論治垂木が納まっていません。
人吉球磨建築学

人吉球磨地域のことを知ってもらおう!

SL人吉・機関車庫

2020年の人吉水害により風光明媚な球磨川沿いを走る肥薩線は、八代駅から吉松駅までは現在不通区間となっています。八代駅と人吉駅間は2033年度頃に鉄道で復旧させることで基本合意したそうです。
お知らせ

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くま川

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サイト開設の目的

近年の異常気象や大地震により全国的にどこかで歴史建造物が被災しています。
2020年7月の人吉水害では3件の神社が被害を受け、1件は建て替えられ、1件は修理が行われました。在職中は個人的にできる範囲で人吉球磨地域の歴史的建造物の保存活動を行ってきましたが、人吉水害を目の当たりにして定年後からの本格的な活動を切り上げることにしました。

歴史的建造物が被災した場合は地域の復興事業の最後に行われますので、それまでの応急処置が大切です。被災した歴史的建造物の災害復旧工事は、国指定文化財でも文化財研修を受けた技能者の方々が不足しますので、都道府県指定や市町村指定文化財に関しては、歴史的建造物の応急処置や保存修理の知識を広めることが早急な課題だと考えています。

そのために、人吉球磨地域の歴史的建造物を参考にして、歴史的建造物を未来に継承する方法をみなさんと考えるツールとしてサイトを立ち上げました。
また、歴史的建造物保存のためのネットワークを構築していきたいと考えています。

運営者情報

氏 名:柴田国広

住 所:福岡県糸島市高田2-11-24

連絡先:Email
            info@bunka-sc-kuma.org

文化財建造物修理技術者受講履歴と担当現場略歴:
1978-03 国立有明工業高等専門学校卒業
1978-04 財団法人文化財建造物保存技術協会入会
1978-040文化財建造物修理技術者養成 研修受講
1993-10 文化財建造物修理主任技術者普通コース受講
1994-04 重要文化財青蓮寺阿弥陀堂
2000-10 文化財建造物修理主任技術者上級コース受講
2000-11 重要文化財生善院観音堂
2012-11 重要文化財八勝寺阿弥陀堂
2023-03 公益財団法人文化財建造物保存技術協会退会
2024-07 サイト開設

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