東俣阿蘇神社本殿
建物データ
指定名称 | 東俣阿蘇神社本殿 19世紀前半 一間社流造、鉄板葺 |
---|---|
指定年月日 | |
所在地 | 五木村久領 |
修理記録 | |
保存修理工事報告書 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会) |
東俣阿蘇神社本殿正面
東俣阿蘇神社本殿は東俣に在りましたが、川辺川ダム建設により水没するため、現在地に移築されました。『麻郡神社記』によると当社は、大同年中(806~810)の草創で、永徳2年(1382)地頭朝師氏修造とあります。
東俣阿蘇神社本殿側面
向拝柱は円柱で柱足元には貫穴があります。木階が変更されているとみられます。
東俣阿蘇神社本殿妻飾り
蟇股の輪郭はすべて円弧で構成されています。
東俣阿蘇神社本殿向拝斗栱廻り
正面側は二軒となっていますが、飛檐垂木は移築時のもので、それ以前から二軒であったかは目視では確認できません。
肘引き虹梁木鼻の前髪を垂らしたような形状は人吉球磨地域の特徴がみられます。渦の巻は半回転と少なくなっています。
東俣阿蘇神社本殿向拝蟇股
蟇股は独特な形状に変化しています。あさぎり町の秋時諏訪神社本殿(1815~1817)より新しいとみられます。
東俣阿蘇神社本殿木鼻
外部側は円弧と中括弧形で構成されており、それぞれの曲線の頂点が斜めに繋がっているように見えます。渦の幅が狭くなっています。
東俣阿蘇神社本殿海老虹梁
渦に若葉が付き装飾性が進み、輪郭も複雑になっています。
建物情報
※情報の内容は調査・研究成果によるものです。
平面計画 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の実測図は現行尺(1尺303.03㎜)で柱間寸法が整理されているようです。 正面は2,121㎜(7.00尺)、身舎側面2,045㎜(6.75尺)、向拝奥行き970㎜(3.20尺)となっています。身舎柱断面寸法は図面を測って換算すると205㎜前後です。身舎側面と向拝奥行きの合計が3,015㎜で、鉄尺(1尺302.58㎜)に換算すると9.965尺となります。実測値が判りませんが、向拝奥行きが3.25尺であれば、身舎柱・向拝柱は0.25尺小間のグリッド上に建てられていることになります。正面28小間7.00尺、身舎側面27小間6.75尺、向拝奥行き13小間3.25尺となります。身舎柱断面寸法は7.00尺/10の0.70尺とみられます。 |
---|