蓮華寺跡厨子
建物データ
指定名称 | 蓮華寺跡厨子 永正11年(1514)、本尊銘 一間厨子、入母屋造、板葺 |
---|---|
指定年月日 | |
所在地 | 多良木町黒肥地蓮華寺 |
修理記録 | |
保存修理工事報告書 |
>蓮華寺跡厨子正面
『九州相良の寺院資料』(上村重次著、昭和61年8月1日発行)によると、蓮華寺は嘉禎元年(1235)に上相良第二代頼氏により創建されました。文永6年(1269)に笠塔婆が建立され、現存しています。文安5年(1448)上相良良頼、頼仙兄弟に従い蓮華寺の僧も人吉城攻撃に参戦しています。この一連の戦で上相良は滅亡し、蓮華寺は永正11年(1514)に再興されましが、元亀4年(1573)以降は文献の記録がありませんので、江戸時代は青蓮寺の管轄でした。
現存する阿弥陀如来銘は「大旦那藤原長毎并満乗丸当院大願主□尊 敬白干時永正十一年甲戌八月彼岸廿八日」と書かれています。厨子は台輪より上の部分と壁板が後世に作り変えられていますので、建立年代を推測できるのは木鼻、台輪、釈杖彫しかありません。
蓮華寺跡厨子木鼻、釈杖彫
木鼻は渦が出る円弧部分大きく外に出ていますので、形状としては古い印象です。今後、研究が進めば明らかとなると考えられますが、ここでは永正11年(1514)の建立と推測します。