須恵諏訪神社

建物データ

指定名称 須恵諏訪神社本殿及び宮殿 2棟   天文22年(1553)、『麻郡神社記』
本殿 二間社流造、とち葺
宮殿 二間宮殿、板葺
指定年月日 平成9年10月20日
所在地 あさぎり町須恵
修理記録 本殿:天和年中(1681~1683)
保存修理工事報告書 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)

須恵諏訪神社社殿

須恵諏訪神社社殿

『麻郡神社記』によると当社は信州の諏訪神社と同体で、応永年中の再興のようです。もとは現在地より西にありましたが、天文21年(1552)に当地に遷座され、天文22年(1553)に本殿が新築されました。さらに本殿は天和年中(1681~83)に修復され、元禄11年(1698)に拝殿が造営されたとの記述がみられます。本殿内部の神像には天文21年遷座の銘が残り、『麻郡神社記』の記述と一致します。

須恵諏訪神社本殿正面

須恵諏訪神社本殿正面

和様の造りで建立当初は正面2間でしたが、現状は後世の改修で正面中央の柱が切断されていますので一間社にみえます。

須恵諏訪神社本殿側面

宮原観音堂正側面

側面は一間としています。

須恵諏訪神社本殿背面

須恵諏訪神社本殿背面

背面は二間となっています。

須恵諏訪神社本殿向拝部分

須恵諏訪神社本殿向拝部分

向拝虹梁は図面をみると向拝柱に向かって下げて取り付けられているようです。

須恵諏訪神社本殿身舎部分

須恵諏訪神社本殿身舎部分

身舎の斗栱は一手先の出組として、軒支輪が取り付いています。この建物は木材の年輪間隔が密で上等な木材が使用されています。

須恵諏訪神社本殿拳鼻

須恵諏訪神社本殿拳鼻

拳鼻は正面から見ると下部より上部の幅が広い撥形としています。

建物情報

※情報の内容は調査・研究成果によるものです。

平面計画 須恵諏訪神社本殿平面計画
『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の図面を見ると正面側は実測値を現行尺に整理されているようで二間で8.8尺(2,666㎜)となっています。側面は向拝と身舎の合計が2,514㎜で現行尺では8.296尺で8.3尺に整理するには1㎜足りません。身舎側面は1,590㎜で現行尺では5.247尺で5.25尺に整理するにはこちらも1㎜足りません。ここでは枝割を考慮して鉄尺(1尺302.58㎜)で平面計画を考えてみます。
化粧垂木は柱真を手挟んで割付け配られています。4.4尺12枝で、一枝寸法は0.36666・・・尺の循環小数となります。4.41尺であれば一枝寸法は0.3675尺です。現行尺4.4尺とすると、裏目は3.111裏尺となります。一枝寸法は0.25927・・・尺でこちらも循環小数となりますが、一枝寸法を0.26裏尺と考えると3.12裏尺でミリメートルに換算すると1,335㎜となります。実測値が判りませんが現行尺の4.4尺と鉄尺3.12裏尺は+2㎜程度の差となります。
裏目寸法の平面計画であれば、正面隅柱外々を6.5裏尺として25等分して1小間0.26裏尺(一枝寸法)の24小間を隅柱真々寸法にしたとみられます。
身舎側面と向拝奥行きの平面寸法は14.3小間(3.72裏尺)と8.3小間(2.16裏尺)になりますが、正面側との計画性が判りませんので実測調査して柱間寸法を再検討したいと思います。
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