木本神社
建物データ
指定名称 | 木本神社 本 殿:一間社流造、流し板葺、南向 天文18年(1549) 拝 殿:桁行三間+合の間一間、梁間三間、切妻造、妻入、正面向拝一間、片流れ、桟瓦葺 江戸時代末期 覆 屋:桁行二間、梁間二間、切妻造、桟瓦葺、妻入 拝殿と同じ時期か |
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指定年月日 | |
所在地 | 錦町木上岩城 |
修理記録 | 明治 4年:現在の向拝構えに改修 昭和39年:拝殿茅葺屋根を桟瓦葺に改修 |
調査報告書 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会) |
木本神社社殿
『麻郡神社記』によると当社は紀州熊野速玉男神社と同体で、承久年中(1219~1222)の草創で、鎮座の時に御神体を桂木に掛けて祀ったので桂掛権現と号しました。後に桂を葛に改め、西の権現と号し、これは東に木ノ本権現が有ったからです。
棟札写しには天文18年(1549)に代官の藤原善社司長信により再興された記録があります。
明治元年(1868)に神祈省の通達により木本神宮と改称されました。
木本神社拝殿正面
間口幅いっぱいの後設の向拝が付いています。
木本神社拝殿と覆屋
拝殿は昭和39年に寄棟造の茅葺から切妻造の桟瓦葺に改修されています。拝殿の桁と出桁が覆屋まで続いてますので、当初は拝殿と覆屋が一つの建物であった可能性があります。屋根を桟瓦葺に改修する際に小屋裏の空間が狭くなり、覆屋は出桁の通りに壁を設け小屋裏の空間を確保したのかも知れません。
木本神社拝殿内部
拝殿は腰板がありますが、当初から開放であったようです。
木本神社本殿正面
正面に扉がありますがこれは明治4年(1871)に改修された構えで、身舎正面の間仕切装置をここに移動していますが、もとは向拝で開放でした。向拝柱は通常角柱ですので、現在の柱は取替えられていとみられます。
木本神社本殿側面
写真右側がもとの向拝部分ですが壁板で間仕切られています。反対側は建具を入れて出入口としています。
木本神社本殿背面
木本神社本殿妻詳細
写真では判りにくいのですが、妻飾りは豕扠首です。
木本神社本殿身舎頭貫
もとは頭貫が向拝桁を繋いでいたようですが、手前で切断されています。身舎柱外側を木鼻型に彫り出しています。
木本神社本殿身舎木鼻
頭貫から作り出した木鼻より渦下の繰型が一つ多くなっています。
建物情報
※情報の内容は調査・研究成果によるものです。
本殿平面寸法と柱断面寸法 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の実測図では柱間寸法の計画性が判りにくく、後世に向拝廻りが改修されていますので、平面設計を推測して柱間寸法を分析してみます。 正面は1,685㎜、身舎側面1,420㎜、向拝奥行690㎜となっています。身舎側面と向拝奥行のを足すと2,110㎜尺で、鉄尺(1尺302.58㎜)に換算すると6.973尺で設計では7.00尺とします。正面は鉄尺に換算すると5.569尺で5.60尺とすると、寸法比が側面5:正面4となります。 平面設計としては側面7.00尺を基準とし40等分して1小間0.175尺(=一枝寸法/2)のグリッド上に柱を配置したとみられ、正面32小間5.60尺(1,694㎜)、身舎側面27小間4.725尺(1,430㎜)、向拝奥行13小間(688㎜)に決めたと考えられます。正面は16枝ですので一枝寸法は0.35尺となります。身舎柱断面寸法は図面を測って換算すると160㎜前後で、3小間0.525尺(159㎜)とみられます。 |
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