西福寺阿弥陀堂
建物データ
指定名称 | 西福寺阿弥陀堂 享保21年(1736)、棟札 桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、銅板葺、平入、向拝一間、銅板葺、西向き |
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指定年月日 | |
所在地 | 山江村大字万江甲 |
修理記録 | 昭和59年:小屋組から改造して、現在の銅板葺に改修、正面板扉、側面板戸取替え |
保存修理工事報告書 | 未出版 |
西福寺阿弥陀堂境内
西福寺は万江村地頭万江氏によって建立されました。もとは禅宗寺院でしたが、のちに古義真言宗に改宗しました。幕末の頃は高寺院の支配下にあり、維新後に廃寺となりました。
境内には、室町から江戸時代までの無縫塔・五輪塔・板碑などが残され、 昭和59年4月1日付けで、西福寺境内と五輪塔郡の景観が整っており、その歴史的価値が高いとして、文化財等環境保全地区に指定されています。
西福寺阿弥陀堂正側面
建ちの高い仏堂です。木目の細かい良質な木材が使われています。
西福寺阿弥陀堂屋根
昭和59年の修理以前の屋根は寄棟造の茅葺でした。
西福寺阿弥陀堂天井
内部の天井は折上格天井としています。折上部分の裏板が取替えられているようです。
西福寺阿弥陀堂琵琶板格狭間
建立年年代が判っていますので、格狭間意匠の変遷の指標となります。写真両端に見える実肘木は円弧部分が外に出る形式です。
西福寺阿弥陀堂水引虹梁木鼻
木鼻の渦が2つになっています。万江阿蘇神社本殿(1728)からこの意匠が使われています。
西福寺阿弥陀堂水引身舎木鼻
最上部の直線部分下に猪目(ハート型)が入り、円弧部分小さくなり、その下の繰型を3段としています。
西福寺阿弥陀堂拳鼻
木鼻と違い拳鼻の輪郭は質素な感じを受けます。
建物情報
※情報の内容は調査・研究成果によるものです。
大工棟梁 | 甲斐沢右衛門 永井儀右衛門 山澄加右衛門 |
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平面寸法と柱断面寸法 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の実測図を見ると柱間寸法は現行尺で整理されていることが判ります。正面中央間6.0尺、端間4.2尺、側面は三間等間で5.8尺となっています。柱断面寸法の記載がありませんので図面を測って換算すると220㎜前後とみられます。 平面計画を考察すると、正面規模を15尺と仮定し25等分した1小間0.6尺のグリッド上に柱を配置しています。正面中央間は10小間で6.0尺、端間は7小間4.2尺、隅柱真々14.4尺、側面は背面側隅柱までを29小間17.4尺を三等分した各間5.8尺としたとみなせます。柱断面寸法は正面隅柱真々14.4尺の20分の1で0.72尺とみられます。 |