井口八幡神社毘沙門堂
建物データ
名 称 | 井口八幡神社毘沙門堂 安政5年(1858)、寄進札 桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、平入、桟瓦葺、南向 |
---|---|
指定年月日 | |
所在地 | 人吉市井口町 |
修理記録 | 明治以降に軒廻り、小屋組、屋根を改修 |
保存修理工事報告書 | 『中世等文化遺産保護対策調査事業報告書』平成8年3月 |
井口八幡神社毘沙門堂正面
現在、毘沙門堂の屋根は入母屋造の桟瓦葺となっていますが、建立当初は寄棟造で茅葺であったと考えられます。阿弥陀堂より屋根勾配を緩くしています。中央間は蔀戸で裏板がありません。また、端間の格子窓も裏板がありませんので、日当たりは良いのですが、ホコリや落ち葉など堂内に入ってしまっています。瓦はセメント瓦ですので、塗装がなくなると雨が瓦に滲み込んで雨漏りや凍害の要因となります。
井口八幡神社毘沙門堂背側面
壁板がズレて隙間が空いています。
井口八幡神社毘沙門堂軒廻り
軒が2段になっていますが、下段の軒は建立当初のもので、上段の軒は明治以降の改修工事で取付けられたものです。軒天井板が欠失しています。
建物情報
※情報の内容は調査・研究成果によるものです。
平面計画と柱断面寸法 | 『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の図面をみると、現行尺で柱間寸法が整理されているようです。来迎柱、側柱とも断面寸法は0.4尺前後です。 正面は三間、側面と背面は二間で同じ柱間寸法としています。正面隅柱真々寸法は2,984.8㎜、側面2,987.9㎜で側面が3㎜程長くなっています。正面9.85尺、中央間4.45尺、端間2.70尺、側面は各間4.93尺です。各柱間寸法では計画性を見出すことができませんでしたので、建物の実測をして柱間寸法の確認をしたいと思います。 |
---|