青井大神宮

建物データ

指定名称 青井大神宮内宮・外宮 2棟   寛保2年(1742)、昭和30年(1955)移築
一間社神明造、平入、銅板葺    
指定年月日 平成25年5月28日
所在地 人吉市上青井町
修理記録 昭和30年:移築
昭和53年:屋根茅葺を銅板葺に葺替え
平成15年:縁廻りの修理、柱レベルの是正
保存修理工事報告書 未出版

青井大神宮外宮と内宮

青井大神宮外宮と内宮

もとは青井阿蘇神社楼門東脇に鎮座されていましたが、昭和30年(1955)に青井阿蘇神社社殿保存修理に伴い、現在地へ移築されました。
向かって右社が内宮の「天照皇太神」、左社が外宮の「宇氣皇太神」、どちらも一間社神明造でもとは茅葺きの社殿でした。

青井大神宮内宮正面

青井大神宮内宮正面

銅板葺の屋根ですが、もとは茅葺であったので軒付は厚くなっています。

青井大神宮内宮側正面

青井大神宮内宮側正面

神明造は破風板が長く屋根から突出して左右が交わり千木となり、内宮は先端が水平(内削ぎ)になっています。屋根の勾配は45度の傾斜が多いそうです。大棟に3本の勝男木を載せ、障泥板および甍覆があり屋根の端より長く挺出しています。破風板の拝近くに小狭小舞が各4本ずつ出ています。

青井大神宮外宮正面

青井大神宮外宮正面

縁の高欄は簡略に造られています。

青井大神宮外宮正側面

青井大神宮外宮正側面

千木先端が垂直(外削ぎ)になっています。この部分以外は規模、造りとも内宮と同じです。

青井大神宮外宮身舎正面

青井大神宮外宮身舎正面

台輪見付面に釈杖彫が施され、頭貫下端を眉欠き状にしています。

青井大神宮外宮向拝側面

青井大神宮外宮向拝側面

身舎柱と向拝柱を繋ぐ海老虹梁は袖切だけで、装飾がなく簡素な造りです。

青井大神宮外宮木鼻

長青井大神宮外宮木鼻

木鼻の円弧部分が内側に入っています。この時代の木鼻の一つの意匠です。

建物情報

※情報の内容は調査・研究成果によるものです。

平面計画と柱断面寸法 青井大神宮平面計画
『中世等文化遺産保護対策事業調査報告書』(平成8年3月、熊本県教育委員会)の実測図は正面1,928㎜、身舎側面1,500㎜、向拝奥行き705㎜で、現行尺(1尺303.03㎜)でそれぞれ6.362尺、4.95尺、2.327尺となります。身舎側面以外は寸法が整理されていないようです。
鉄尺に換算すると正面6.372尺、身舎側面4.957尺、向拝奥行き2.33尺となります。これらの寸法を裏目でみると、4.506裏尺、3.505裏尺、1.648裏尺となります。図面の柱間寸法と3㎜弱の差がありますが、正面4.5裏尺、身舎側面3.5裏尺、向拝奥行き1.65尺の計画と考えられます。身舎柱断面寸法は正面4.5裏尺/10で0.45裏尺、身舎柱断面寸法は正面4.5尺/17の0.265尺とみられます。
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