老神神社
建物データ
指定名称 | 重要文化財老神神社 2棟 本 殿 寛永5年(1628)、叉首棟札 桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、とち葺 附・銘札及び文書 1組 銘札2枚(寛延二年)、文書1枚(寛延二年十月十四日) 前机 1脚 寛永五年五月 覆屋 1棟 桁行7.6m、梁間7.2m、一重、切妻造、茅葺 万治2年(1659)、方杖枘墨書 拝殿及び神供所廊 寛延2年(1749)頃(本殿銘札) 拝殿 桁行9.9m、梁間4.9m、一重、東面入母屋造、西面切妻造、妻入、桟瓦葺、向拝附属 神供所 桁行5.9m、梁間6.0m、一重、北面入母屋造、南面切妻造、東面庇附属、桟瓦葺、南面拝殿間取合附属 |
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指定年月日 | 平成2年9月11日 |
所在地 | 人吉市老神町 |
修理記録 | 平成7年(覆屋) |
保存修理工事報告書 | 未出版 |
老神神社社殿
現在の本殿は寛永5年(1628)、覆屋は万治2年(1659)、拝殿・神供所は寛延2年(1749)頃に建立されました。
老神神社本殿・覆屋
本殿建立31年後に覆屋が建てられています。一回目の本殿屋根葺替えに合わせて覆屋が建てられたと考えられます。人吉球磨地域に江戸時代以前の神社本殿が多く残っているのは、老神神社のように本殿建立後早い時期に覆屋が建てられたことも一因と考えられます。覆屋の建立年代は平成7年の保存修理工事に伴う調査で判明しました。
老神神社拝殿・神供所正面
拝殿と神供所は明治39年の修理で出桁上に垂木を渡して瓦葺にしていますが、建立時は茅葺であったと考えられます。拝殿の向拝は明治後年に増築されたものです。
老神神社拝殿側面
拝殿の木部は一見素木のようですが黒漆が塗られていたようです。
老神神社神供所
現在、神供所は拝殿との合の間を介してして屋根が別になっていますが、建立時は屋根が拝殿と一連の鍵型であったと考えられます。
建物情報
※情報の内容は重要文化財の指定説明とその後の調査・研究成果によるものです。
大工棟梁 | 田上 又兵衛(重盈) |
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本殿平面計画 | 重要文化財指定図面の平面寸法を考察して平面計画を考えてみます。 本殿は入母屋造ですので、柱真々間の一枝寸法は同じと仮定します。 身舎側面は二間で2,752㎜で鉄尺(1尺302.58㎜)に換算すると9.095尺で24枝となっていますので一枝寸法は0.379尺となります。設計は一枝0.38尺とすると、身舎側面は二間で9.12尺、各間4.56尺とみられます。向拝奥行は11枝ですので4.18尺となります。 正面中央間は16枝、端間11枝ですので、中央間6.08尺、端間4.18尺で、身舎正面規模(桁行)は14.44尺38枝とみられます。では、どの様に平面計画を行ったかと考察すると、寸法表記がありませんが、身舎背面隅柱から脇障子柱真々は図面を測って換算すると700㎜弱(6枝程度)ですので、脇障子を含めて19尺を50等分し1小間0.38尺を一枝寸法としたと推測されます。 側面規模は正面規模の7/10とし、向拝奥行は身舎正面端間と同じ柱間寸法としています。 |